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■気づかれずに相手の本心を見抜く(6記事)
★ズバリ切り込むより、核心迫るやり方がある
相手に語らせたいことがあるのに、なかなか話してくれない。あなたが警戒されているのか、相手がもともと秘密主義なのかはわからないが、こういう状況は、なかなか厄介です。自分を守ろうとする意識の強い相手は、簡単には口を開けてくれないからです。
そんなときに、相手を誘導して口を割らせる、とっておきの方法があります。
孫子の言う「迂直の計」を使ってみることです。迂直の計とは、回り道をしながら、速やかに目的を達成するための謀計のことです。
そのひとつが仮定法で、あくまでも仮のお話・・・・という感じで切り出せば、相手の気持ちが間接的に見えてくるでしょう。
たとえば、「もし、あなたが坂本竜馬だったら、どういう対策を練るだろうか」
あるいは、「もし、あなたが社長なら、こういう場合、どういう結論を下しますか」などです。
あくまでも仮の話だと思うからからこそ、相手も安心して、ついポロリと隠しておくべき情報を漏らしてしまうのです。
直線的に切り込んでいくと、警戒されるのがオチです。
★「投影法」で相手の口は十倍軽くなる
交渉やプレゼン、打ち合わせの最中は、お互いの腹の探り合いになるケースが多いです。なぜ、こういうことになるのでしょう。
そこには、いろいろな理由がありますが、普通は「こんな意見を述べたら、笑われるんじゃないか」とか「後で自分に不利に働くのではないか」とか、要するに、自分のことを守ろうとする意識が働いていることが大きいです。
したがって、そういう意識を弱めることができれば、その人のホンネを知ることができます。
そのために効果的な方法が「投影法」です。
誰か別の人の意見として、その人のホンネを聞かせてもらうわけです。
このテクニックを駆使すれば、落としどころを探るのも、意見を誘導していくのも、手のひらの上で転がすようにできるようになります。
「あなた個人の意見ではなく『一般人』は、どう思うと思いますか?」
「あなたの『会社の人たち』は、どう思っているのでしょうか?」
このように、他人の投影させた形で質問してみこると、相手も返事がしやすくなります。自分の意見ではない、という免罪符が得られたような気持ちになるかでしょう。
不安の強い交渉相手などには、プレッシャーを与えてはいけないし、防衛的な反応を取らせてはいけません。
これは、相手のホンネを聞き出すための二大原理ですが、投影法は、この原理に基づく、とても適切な方法だといえるでしょう。
★調子に乗せれば、こちらの思うツボ
相手に気分よくなってもらい、聞いていないことまでを勝手にしゃべってもらうには、「無知を装う」ことです。
「へえ、それは知らなかったなあ。もっと詳しく教えてほしいな」
などと言って、調子に乗せてしまえば、こちらの思うツボです。会話の手綱はこちらが握ったまま、相手にスラスラとしゃべらせることができてしまいます。
経営の神様と呼ばれる松下幸之助さんも、どんな人にも腰を低くして教えを請うていそうです。
松下さんは、大変に勉強熱心な経営者であったからこそ、本当は聞かなくても知っている知識や情報も多かったはずです。それにもかかわらず、相手が口を開けば、すぐに「興味のあるお話でんな」と目を輝かせて相手の話を聞き、得がたい情報を引き出していたようです。
私たちは相手よりも上に立ちたい、先生のように振舞いたいという欲求があるものです。人にモノを教えるのは、自分が賢い人間になったかのような錯覚を抱け、気分がよくなるので、無知を装うことで、あなたの評価が下がることはないのです。
★「抜けたところ」を見せて懐に潜り込む
あなたがもし、周囲の人から一分の隙もない人間だと思われているのであれば、わざと言葉の「しくじり」を見せるのも有効な手です。
言葉をしくじればしくじるほど、少々抜けたところがあると感じさせることができるし、それが相手を安心させることにつながるからです。
ある大学で、アナウンサーの言い間違いの実験をしたそうですが、言い間違いやしくじった回数が多いほど、アナウンサ−への評価は下がったということですが、あまりにも優秀で隙のない人は、周囲から警戒されるものです。
そんなときには、わざとボケたフリをするのもいいでしょう。
もし、あなたがエリート臭い人間であるなら、わざと言葉のしくじりをやらかせば、相手も安心するでしょう。
ワルであろうとすればするほど、人に警戒されてはダメです。
だから、「わざと抜けたところをアピールする」という心理テクニックを駆使すれば、ガードの堅い人間の懐にも滑り込みやすくなります。
ただし、有能なビジネスマンを演出したいのなら、話は別です。パワフルな人間、専門家を演出したいときには、言葉をしくじればしくじるほど、悪い評価を受ける危険もありますので、要注意です。
★「間違いを正したい」心理を応用する
何か人に聞きにくい情報を知りたいとき、あなたならどうしているのでしょうか?
真っ向からストレートに聞くというのは、相手を構えさせてしまい、一番芸のない方法です。ワルであれば、相手に疑念を抱かせないテクニックを使うべきです。
そのテクニックのひとつが、わざと間違った発言をして、相手に「訂正」させるという方法です。あるいは、うその発言をするのもいいでしょう。
俗にいう「カマをかける」というものですが、この手を用いれば、相手もついうっかり大切なことを話してしまうことが少なくありません。
たとえば次のような事例です。
例1
「人事課にいる○○さんは、たしかバツイチだったよね」
「違うよ、二回離婚しているはずだ」
「ああ、そうか、そうだった」
例2
「新規プロジェクトの極秘事項って、たしか五階の資料室で調べられるよ」
「違うよ、あれは部長室に保管されているんだよ」
「え、そうだっけ」
とぼけるところに多少の演技力を必要としますが、人は「間違いがあれば訂正したい」という心理が働くので、相手にヘンに思われることも少ないテクニックです。
あくまでも、ちょっとした情報の食い違いがあるようなそぶりで切り出せばいいでしょう。
★いきなり核心に触れると玉砕する
相手のホンネを探ろうとして、いきなり核心に触れる質問をすると、相手に警戒されてしまうことが少なくありません。
したがって、最初はより表面的な質問などをして、それからじっくりとホンネに迫っていったほうがうまくいくことが多いです。
一般論として言うと、その人の自我に深くかかわるテーマや意見や信念については、なかなか聞きだすのが難しいものです。
逆に、最近見た映画の好き嫌いや、仕事の内容、家族構成、将来の夢といったテーマは、割と、口にしやすいようです。最初は、こういう無難なところから質問するといいでしょう。
私たちは、ひとつのテーマで自分の意見を明らかにすると、さらに深いレベルで話したくなるような気持ちになります。特に聞き出すのが上手な人とおしゃべりをするときに、そういう気分になるものです。
説得テクニックのひとつに「踏み込み法」と呼ばれる方法があります。引き受けやすいところでひとつ妥協すると、もっと大きな頼みごとをされたときにも、ついつい妥協してしまうという心理を逆手に取ったものです。
このテクニックは、質問するときにも有効で、相手が答えやすい質問から入っていき、相手がそれに答えて口が軽くなったら、少しずつ深層レベルへと諮問を掘り下げていくのです。
相手がどんなに堅固な壁を用意していようと、少しずつ削っていけば、必ず突破できるはずです。
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