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くどいと思っても、相手はくどいと言えない


★商談で相手を説得し、交渉を有利に進めるには、「先手必勝」の法則が生きます。
話し合いが混迷してきたら、相手がさらに攻撃を仕掛けてくる前に、
「くどいようですが・・・」
と先手を打ち、セールストークの核心へと話を戻すのです。

したたかに世渡りする人間なら当然、商談に臨む前に理論武装をします。「相手がああ言えばこう言う」、「ここを攻められたら答えはこれ」、とあらゆるケースを想定し、抜かりなく準備をしているはずです。

「これ以上の値引きは、どうしてもできないのかね」
「申し訳ありません。最初から、ギリギリここまでという価格をご提示させていただいておりますので」
「納期を少し早めることはできないのかな」
「何しろ人気製品ですので、生産システムを整えて目いっぱいでこれです」
しかし、手ごわい相手はさらに議論をふっかけてくるでしょう。

「そんなに人気があるのなら、これほどしつこく売り込まなくても、ほかで売れば目標数字になるんじゃないの?」
そんな言葉にひるむようではダメです。気圧された様子などみじんも見せず、涼しい顔をして、
「くどいようですが」
と切り出し、話を要点に戻せばいいでしょう。

そして、相手に「しつこい」と言わせるほど勧める根拠を示す。製品の優秀さに自信があること、どこが優秀なのか、さらには、ぜひ使って便利さを実感してほしいなどと、繰り返すだけです。売り込みの文句を、もう一度使えばいい。

★これを「くどいようですが」の前置きなしにはじめようとすると、
「それは、もう、何度も聞いたよ」
と切り返される。たった八文字の前置きが、相手に「何度も聞いた」と言えなくさせてしまうのです。


ほかに「繰り返すようですが」という断りの入れ方もあります。いずれにせよ、重要なのは、「〜ようですが」という言い方です。これにより、論理に若干あいまいな印象を与え、相手に本当はくどくない、繰り返しではないと錯覚させます。

これが、「何度も繰り返しますが」という言い方をすると、「本当にくどい」「繰り返さなくてもわかっている」と思われ、交渉が進みません。

この戦略は、企画会議でのプレゼンテーション、上司への仕事のシステムの改善要求など、取引先以外でも使えます。水掛け論で埒が開かないときや、想定外の急襲を受けたときには、「〜ようですが」の語法で敵の砦を切り崩しましょう。





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