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相手のメンツを立て、賛成してから反論する


上司の無理な命令に、正面きって歯向かうなんて愚かしい。生意気なヤツだと目をつけられ、疎んじられ、出世の妨げになります。

反発も、やり方次第です。できの悪い上司ほど、メンツにこだわり、まともに反論したのでは、「部下の分際で!」と怒らせるだけです。



★相手のメンツを一応立てるふりをして、自分の望む方向に話を持っていけばいいでしょう。
相手の言葉を肯定して安心させ、油断している間に、こちらの主張を通すことです。
たとえば、普通なら六ヶ月はかかるプロジェクトを、四ヶ月でやれと命じられた場合です。連日の残業や毎週の休日出勤なんて、やりたくないはずです。倒れるまで働いて、成果だけ上司に持っていかれては、バカを見ます。

とはいえ、「でも、課長、四ヶ月は無理ですよ」と、ストレートに反論しても無駄でしょう。「でも」と反論されただけで、上司は自分の意見を否定されたと考え、腹を立てます。

反対に、上司を肯定する返事から始めると、相手は自分の意見を受け入れたと思い、油断します。「はい」「おっしゃる通り」など、まず最初に相手の言葉を肯定することです。相手は気分が良くなるので、その後は自分の言い分を通しやすくなります。

「はい、おっしゃるとおり、このプロジェクトは必要がありますね。完成すればわが社に大いに利益となるプロジェクトです」
といった具合に答えを返してやれば、気をよくするでしょう。その隙をついて、
「そのためにも万全を期さなければなりません。○○に必要な期間が△か月、□□に要する期間が×ヶ月、テスト期間が◎ヶ月・・・・。頑張れば六ヶ月で完成です」
などと、勝手に話を変えていけばいいのです。

うまくやれば、上司をそのまま納得させることができます。それが無理でも、駆け引きによって妥協点を見出せます。自分の功を上げたいがために、思いつきで無理な要求をふっかけているだけなら、それだけ主張を通せる公算は大きいはずです。

初めの答え方としては、「はい」「おっしゃるとおり」のほか、「ええ」「たしかに」「なるほど」「そうですね」「ご意見ごもっともです」など、いろいろありますので、ストックを増やして、相手との関係や状況に応じてうまく使い分けるといいでしょう。

このテクニックは、上司の命令を拒絶する場合以外にも、逆に自分の部下にきつい仕事をさせたい場合や、乗る気でない客に商品を売りたい場合、客からのクレームに応対する場合、子供をしかる場合など、いろいろなケースに利用できます。

とくにセールスや苦情処理を担当しているなら、うまく使いこなせるようにしておくといいでしょう。

★相手の話を熱心に聴いているふりをして同調するように相槌を打ち、相手を肯定する返事をしておいて、すぐ反論する。定番の説得方法であり、うまく活用すれば、反論していると気づかれずに要求を飲ませることができるでしょう。





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