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「お金の問題じゃない」という人こそお金にこだわっている




「金の問題じゃないんだよ」とよくいうが、たいていは事の発端はカネ。じつは金が問題だから、そういう言うのです。


たとえば、親の病気や財産分与で兄弟や身内がトラブッたとき、姉が弟に向かって、「あなたがこんな人とは思わなかった。今度という今度、あなたの正体が分かった。お金の問題じゃないわ、あなたには人並みの心や人間性はないの。」なんてなじったりしますが、なんのことはない。

事の発端は金で、経済的な負担をさせられたとか、財産が自分の思うとおりにもらえなかったなどの不満をすり替えていることがよくあります。

だから、いったんは兄弟でもめても、自分の希望どおりに遺産がもらえたら、ほんとうは姉思いの弟だったのね」と評価を一変させます。兄弟であっても、相手を評価する基準は金、という人は案外多いものです。

仕事でもそうだ。不況で給料を30パーセントカッとされたら、「カットされると、生活が苦しくなるが、それよりもっと傷ついたのは、オレの仕事はその程度にしか評価されなかったということだ。あんなに会社に尽くしてきたのに、オレのプライドはズタズタだ。情けないよ」なんて恨みがましくいいますが、本当は、怒りの矛先は、給料をカットされたことによります。

金の問題を心や情、人間性の問題にすり替え、その裏では、自分の思うようにお金が欲しいという浅ましさが人間の正体です。





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