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○○主義にこだわる人は、人より主義が大事




古くは共産主義や社会主義に始まり、菜食主義、環境保護主義など、主義にもいろいろありますが、主義主張を持つのはけっこうなこととしても、これら何々主義をいたずらに振り回す人たちは信用できません。というのは、こういう人たちにとって、何より主義が大事だからです。

主義がすべてで、他のすべてに優先するというのが、主義の本質です。だから、その主義を守り、広めるためには、社会の一般常識や規範は取るに足りません。

こういう主義者の嫌なところは、主義うんぬんが関係がない付き合いにおいても、主義者ではない人に対して、自分の信じる主義を主張することです。

たとえば、ベジタリアンといっしょにお酒を飲みに行くことになったとき、「ボクはベジタリアンですから、肉はダメです」と、まず主張します。

何の料理の飲食店であっても、肉以外の料理はいっさい置いていないというところはめずらしい。だったら、肉以外のものを食べればすむことですが、主張をするのは、そうしたいからだろう。

主義者は狭量だから、自分が信奉する主義以外は認めません。

ある環境保護主義者は、原稿を書くにも広告のビラを使ったりします。ビラの裏の白紙にマス目を印字して原稿用紙をつくりますが、手間がかかるうえ、費用も市販の原稿用紙を購入するより高くつきます。しかし、主義を普及するための手段だからかまわないといいます。

困ったことに、他人にも同じことを強います。

この人の場合、封筒も再生して使いますが、出版社に対してもまっさらな封筒を使うことを禁じます。
自分宛に送る場合も同じようにするように注文をつけます。

そのため編集者は多忙にもかかわらず、新しい封筒を靴で何回も踏みつけ、かなりくしゃくしゃ感を出して、それで文書を送るという話を聞きました。

主義者は、主義者以外の人の気持ちが分からないので、回りの人たちが迷惑をこうむったり、嫌な気分にさせられても、それが分かりません。はた迷惑な話です。
対処法としては、「私はそういう主義には賛成できない」とはっきり言うしかないでしょう。






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