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頼みごとで相手に優越感を与えると、好感がもたれる




仕事に追われている同僚に頼まれて、残業を手伝った。財布を落とした友人に頼まれ、給料日までお金を貸した。

知り合いが困っているとき、その頼みを聞けば、ふつうは相手から感謝されます。相手の好意を得たいとき、その願いごとを聞いてあげるのは、言うまでもないことでしょう。

では逆に、相手に頼みごとをしたとき、相手は「面倒だ」と思い、不快になるかというと、これが案外そうでもないのです。

頼まれた人は、頼んできた人に対して好意を抱く場合が少なくありません。

これは、ジェッカーとランディの実験によって証明されました。


ジェッカーとランディは、大学で被験者を集めて、彼らが恩恵を与えた人間に対し、どのような感情を抱くかを調査したのです。

まず、被験者には、学習に関する実験を行うという名目で集まってもらいます。問題に答え、それが合っていれば、お金をもらえるという実験です。

実際には、正解する回数は実験者がコントロールしており、被験者は最終的に60セントか3ドルかのいずれかがもらえるようになっています。

試験が終ると、被験者は正解数に応じて60セントか3ドルを受け取ります。

そして、ここから先、被験者に対して三つのパターンを用意するのです。

@ 実験者が「いま渡したお金を返して欲しい」と頼む。じつは、この実験は自費で行っているので、本当に渡すと研究費用がなくなってしまう。そこで、「できれば返してもらえないか」と頼む。

A 実験者ではなく、大学の事務員が「お金を返して欲しい」と頼む。大学の研究資金が不足しているので、できれば返して欲しいというわけです。

B 何も頼まず、お金を渡したままにしておく。

その後、被験者は実験者に対する好感度を訊ねられます。結果は、実験者からお金を返して欲しいといわれた被験者たちが、実験者にもっとも好意を抱いていたようです。

しかも、60セント受け取った人よりも、3ドル受け取った人のほうが、より強い好意を抱いていたということです。

人に親切にすると気持ちがいいというのは、誰しも経験があるはずです。また、困っている様子を聞かされたり、人から頼まれると、「そんなに信頼されているのか」と優越感がくすぐられるものです。その満足感が、相手への好意につながるのです。

だから、誰かと親しくなりたいときには、ちょっとした頼みごとをしてみるのもいいでしょう。

何かで困っているそぶりを見せ、助けてもらうのです。相手にそうしてもらったことで自分への好意が高まる可能性が高いのです。






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