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ミエミエの「おだて」でブタも木に登る




キャバクラなど風俗店の前を通ると、「社長、かわいい子がいますよ。寄っていきませんか」と、呼び込みが声をかけてきます。


呼び込みは、相手が若かろうと、およそ社長に見えないほどしょぼくれていようと、「社長」と呼びかけます。

はたで見ていると、「あんなミエミエのお世辞に、引っかかるヤツがいるのか」と思ったりもしますが、これはこれで結構効果的なのです。

誰しも「社長」と呼ばれて悪い気はしません。実際は係長止まりの人でも、「もしかしたらオレは社長に見えるのか」という気持ちさえしてきます。お世辞、セールストークだとわかっても、なんとなく自尊心を満たされるものなのです。

この自尊心の満足感がクセモノで、こういうとき、人の心は無防備になって相手のいいなりになりやすくなります。だから、「この店、ちょっと高いかも」と思っても、「社長」といわれるとつい入ってしまうのです。

店内に入ってからもそうです。

女のコから、「こんな話をするのは、○○さんだけよ。○○さんには、本音を聞いてほしくて」などといわれると、「もう一杯頼もう」「つぎからもこのコを指名しよう」と思ってしまいます。これもやはり、「○○さんだけ」と特別扱いされたことが、自尊心を満足させるからです。

これも冷静に考えれば、「どのお客にも同じことを言っているに決まっている」とわかるはずです。
ですが、優越感をくすぐられ、心が無防備になっていると、そのことに気づかなくなるのです。特に、「オレはモテる」と思っている人間ほど、こういう誘いに引っかかりやすいです。

もともと自信があるため、ちょっとプライドをくすぐられるだけで、「やはり、オレはモテるんだ」と、いいほうに解釈してしまうのです。

もちろん、これは水商売にかぎった話ではなく、DM(ダイレクトメール)に「あなたは一万人の中から選ばれました」「あなただけに特別割引サービスします」といったフレーズがあると、つい興味を持ってしまうのも同様の心理からです。

このときもやはり、「自分は運が強い」とか、「自分は能力がある」と思っている人ほど、引っかかりやすい傾向があるようです。

相手の心を無防備にさせ、こちらの思い通りにしたいときは、相手の自尊心を思う存分くすぐってやればいいのです。
「あなただから、こんなことを話せるんです」などと優越感をくすぐる言葉を使えば、相手はこちらの話に乗ってきやすくなるはずです。






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