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嫌がられる役目を引き受けてもらうコツ




世の中には、誰もがあまり引き受けたがらない仕事があります。PTAの役員、自治会の役員、社員旅行の幹事などはその代表でしょう。


時間をとられて面倒ということもあるし、もし何かあったときに責任をとるのも大変です。そんなわけで、みんな「いえ、私はちょっと・・・」と腰が引けるのです。

そんなとき、「そうおっしゃらずに、引き受けてくださいよ」と強引に頼むと、逆効果になってしまいます。無理強いすればするほど、相手は頑なになって「親の介護があって」とか「その火は仕事の打ち合わせが入っていて」と、できない理由をあれこれ並べるものです。

むしろ、そんなときは無理に頼まず、相手に下駄をあずけてしまうのも手です。「じゃあ、後日連絡しますから、しばらく考えてみていただけますか」といって、引き下がるのです。

そんなことをすれば、ますます断る口実を考える時間を与えそうですが、じつはそうではないのです。そのほうが、色よい返事をもらえる確率は高まるのです。


というのは、人は考える時間をたっぷり与えられたほうが、OKの方向に思考が向かいやすくなるのです。これは記憶のメカニズムと関係していて、人は何かを記憶するとき、まずそれを好きか嫌いかに分類します。脳の中にインプットするには、そういう分類が必要なのです。

しかし、人間心理はコンピューターのように二進法ではありません。たいていの事柄には「好き」な部分と「嫌い」な部分の両面があります。たとえ、「無理です」といっていたPTAの役員でも、すこしは「やってみたい」という部分があるものです。

「先生と親しくなると、なにかと得かもしれない」「友人が増えるかもしれない」「誰かが引き受けないと、けっきょく困るのは子ども」といったものです。もちろん、「面倒だ」「時間がない」などという「嫌い」な部分もあります。

そこで決断までに時間を与えられると、脳のなかでそれらの要素がさらに分類・整理されていくうちに、「嫌い」な部分の印象はだんだんに薄らぎ、逆に「好き」な部分にたいする気持ちは強くなりやすいです。

つまり「しばらく考えてくれませんか」と時間を与えられると、その面倒な仕事にたいする「好き」の部分が大きなり、しだいに「引き受けてもいいかな」という気分になってくるのです。

だから、相手に少しでも「好き」という部分が見えるようなら、時間が許す限り相手に下駄を預け、考える時間を与えるといいのです。そうすると、相手の気持ちをOKの方向へコントロールできる確率が高まるのです。





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