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「仲間はずれになる不安」を突く説得術




町内会から、「交通遺児の募金をお願いします」という回覧板が回ってきた。見ると、町内会で自分以外の全員がすでに募金しています。
こんなとき、ふだんは募金に関心のない人でも、「右へならえ」で募金をしてしまうでしょう。

これは、人間心理に、自分と同じような立場の人と、違った行動をとりたくないという傾向があるためです。


近所の人全員が募金をしているのなら、自分もしなければならない気持ちになってしまいます。同じ行動を取ると、それで人は安心できるのです。

この心理を実証するものとして、アメリカのアッシュの実験があります。

被験者に1本の直線を見せ、そのご3本の直線を見せます。3本のうち、最初に見せた直線と同じ長さのものはどれかを選んでもらうのです。
この実験は9人を1グループとして、みんなの前で一人ずつ、順番に応えるかたちで行われました。

ただし、最初から8番目までの人はすべてサクラで、最後の一人だけが本当の被験者です。

このとき、サクラはわざと違う直線を選ぶ。@〜Bのうち、正解はAであっても、全員が@を選ぶのです。すると、最後に応える被験者も、本当はAであると思いつつも、「@」と答えてしまうケースが圧倒的に多かったということです。

たとえ真実とは違うと思っていても、自分だけははずれることが不安なため、周囲に同調して間違ったものを正解と答えてしまったのです。

この同調の心理を応用すれば、相手の行動を思い通りにすることもできます。

「みんなやっているのに、どうしてあなただけがやらないのですか」と迫ればいいのです。


たとえば、消化器のセールスで、「このあたり一帯の方は、みんなお持ちですよ。いざ火事になったとき、ご近所に迷惑をかけかねませんからねえ」などと言うのです。

あるいは、「おたくのお子さまの通っている学校のレベルだと、この程度の問題は解けるようにならないとキツいですよ」と言って、学習教材をすすめるのもいいでしょう。

すると、周囲と違う行動をとることを恐れて、セールストークに乗ってくる人は少なくないはずです。




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