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「小さな情報」を与えて「大きな信頼」を勝ち取れ




「そば屋の出前」という言葉があります。そば屋に出前を頼んだのですが、なかなか配達されません。どうなっているのかと電話をしますと「いま出ます」という返事が返ってきます。

では、そろそろくるのかと待っていると、やはりこない。ふたたび催促の電話をすると、やはり「いま出ます」です。そば屋に限らず、店屋物(てんやもの)の出前にはそんなことがよくあるものです。

これを逆手に取ったのが、宅配ピザです。

日本で、まだ宅配ピザがなじみの薄かった頃、業者がうたい文句にしていたのは、「30分以内にお届けできなければ、代金は半分でけっこうです」というものでした。

もちろん、ピザ店としては正規の料金が欲しいから、かならず30分以内に届けるだろうと、お客は考えるでしょう。アテになる出前ということがお客に伝わり、宅配ピザは大いに受けたのです。

心理学的にいうと、人は、情報がまったくない状況に強いストレスや不安を感じます。「出前はいつくるか分からない」という状態は、お客にストレスを与えるのです。

しかし、たとえ遅くなっても、いつ来るかが分かっていれば、ストレスにはなりません。


たとえば、1時間後には出かけなければならないのに、何の情報もなく、50分後に出前が届いたのでは、食べる時間がありません。それをお客は不安に思うわけです。

しかし、もし50分後に届くという情報化゛伝えられれば、出かける時間をずらすなり、出前を断るなり、他の方法を考えることができます。

家電製品を修理に出すときでも、話は同じです。電気店に持ち込んだとき、ただ「あずかっておきます」と言われたのでは、お客は不安になります。

修理できるのかできないのか、何日かかるのか、料金はいくらかなど、知りたい情報はいろいろあります。
場合によっては、買ったほうが安いということもあるでしょう。


こんなとき、「メーカーに聞いて明日には見積もり金額をお知らせします」と言われると、その後の見通しが立ちます。

お客は安心し、店やメーカーにたいする印象派よくなるはずです。大手量販店では、この対処法が基本的なマニュアルになっているようです。

いま、役所や大企業の「情報公開」が求められ、病院で「インフォームド・コンセント(説明と同意)」が求められるのも、これと同じことです。

税金がムダに使われていないか、商品におかしなものが混ざっていないか、自分は何の病気でどういう治療を受けるのか。そういう情報を知らされずにいると、人間は不安になります。

それが不信感につながり、役所や大企業、病院などが、大きくイメージを落とすことにもなるのです。

すべての情報を与える必要はなく、ごく一部を与えるだけでも、相手の不安感をずっと少なくできるでしょう。




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